Step 1 [RB20エンジンを正常に戻す事]
ご存じのとおり、Z31に搭載されているRB20DETエンジンは、デビューから15年以上経過している初期型のタイプである。機構を見れば、ツインカム24バルブ・ターボであり、最新型エンジンとさほど遜色ない様に感じるが、あくまで15年選手。走行距離もかなりになるはずである。まずは、各種センサー類&消耗品をチェックし、正常なノーマル状態を目指したい。
歴代RB20DETエンジンについての情報は「こちら」からどうぞ!
[Point1]
Z31の場合、年式が年式なだけにセンサー類は全ていつ壊れてもおかしくないと思ってまちがいない。
その中で代表的なものと、故障の際の主な症状は以下の通り
センサー名
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症状
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備考
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クランク角センサー
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クランク角センサーから出力される信号は、コンピューターによってインジェクター・フューエルポンプ・パワトラの制御タイミング信号として使用されるため、信号出力不良の場合は様々な症状が考えられる。出力断の場合はキーをひねってクランキングしても、エンジンがかからない。(インジェクター・ポンプが動作しないため)
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不良と思われる場合は、ディーラー・ショップにての交換が無難。また、R31後期型以降のRB20エンジンとは互換性がないので注意が必要。
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エアフロセンサー
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エアフロセンサー不良の場合の症状は、吹けが悪くなるというのが一般的。更に、完全に信号断になると2000rpm以降が極端に吹けなくなる(コンピューターによるフューエルカットが行われる為)
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調子が悪いだけなら、パーツクリーナー等で洗浄すれば改善される場合もあるが、繊細な部分なので下手をすれば壊す原因にも。新品は高価なので中古を探したいところだが、Z31は殆どの車種と互換性がないので注意。
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水温センサー
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水温の変化により燃料・点火に微調を加えるセンサーだが、エンジン始動時が20度相当、その後最大で80度で一定となるため、症状としては、始動後数分間アイドリングが高くなる等の症状がでる。
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エンジン側のアッパーホースの付け根にあり、簡単に交換できる。
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O2センサー
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O2センサーに信号は空燃費の微調をするものなので、はっきりとした症状は出にくい。しかし、全体的に調子が悪く感じられるようになり、重症にある場合もある。O2センサーが故障した場合は、センサー自体をキャンセルした方が調子が良くなる。
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フロントパイプに付いており、比較的簡単に交換できる。
また、センサーを外したまま走行しても問題はない。
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センサー類については、コンピューターの自己診断によって不具合を自分で判断出来るが、自信のない方は症状と思い当たる節を確認しショップ
or ディーラーに持ち込まれるのが無難と思われる。
[Point2]
センサー以外で壊れやすいものの代表
部品名
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症状
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対策
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備考
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パワートランジスタ
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走行中、アイドリング中に関わらず突然エンジンが停止してしまう事が多い。また、パワトラ自体の温度変化によって症状に変化があることも。
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これと言った対策はない。予備を携帯しておけば、長距離ドライブも万全。
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パワトラ自体はRB・VG共通なので、解体でも見つけやすい。新品の値段が高いだけに、中古がベスト。
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イグニッションコイル
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エンジンの温度が上昇するにつれて、極端に吹けが悪くなる。明らかに失火しているような症状。
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これも、出来るだけ新しい物に交換するしか手はない。
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思い切って6個全部交換するなら、社外品もお勧め。通販等を利用すれば純正品購入よりも安くあがる[SplitFire
SuperDirect
Ignition] がお勧め。
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コンピューター
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様々な症状が出る。千差万別。
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交換するしかない。
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200ZR用であれば、前期・後期で流用可能(型番は違う)。しかし、同じ初期型RB20DETでもR31後期用とは互換性が無い場合ので注意。
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その他にも、各種パイプの劣化、エアコン・パワステの故障は当然と考えたい。
壊れるのが嫌ならZ31には乗らないこと。それを肝に命じたい。
Step 2
[ライトチューン]
エンジンがある程度正常になったら、まずはライトチューンから始めたい。
ライトチューンの手始めはやはり、吸排気から。
○マフラー
まずマフラーだが、車検対応(JASMA公認)モデルで選ぶとなると、選択肢は極めて少ない。
現在ラインナップがあるのは、「柿本改・柿本R」「フジツボ・レガリス」だけである。しかも、レガリスは2by2・MT専用という過酷な条件である。
しかし、ここ数年の規制緩和で排ガス&騒音さえクリアーできればなにもJASMA公認である必要はなく、そうなれば多少選択の余地はある。TBOの砲弾直管マフラーはZ31全グレードラインアップされており、触媒後交換でオールステン・セミステンの2種類がある。
もちろん、車検を気にしなかったり、ワンオフで作成すれば選択肢は無限大である。
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Z31マフラーの定番 柿本R
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○エアクリーナー
次にエアクリーナーだが、純正交換タイプなら様々なメーカーからラインナップされている。千差万別、自分の好みのメーカーの物を選ぶのが一番。
しかし、いわゆるむき出しタイプを装着するとなると、多少加工が必要になる。というのも、どこのメーカーからもラインナップされていないからだ。最近までK&N社からM’sパワークリーナーが出ていたが、ステー&パイピングが廃盤となってしまい、事実上の廃盤。したがって、他車種用を加工して取り付けるしかない。
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ブリッツ製ステンエアクリーナー
(トヨタ用)を流用した例
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※マフラー「フジツボレガリス」「TBO砲弾直管マフラー」は2007年現在メーカー廃盤。
Step 3
[ブーストアップ]
ブーストアップをする前に、確実に確認しておきたいことは「タービンの状態」である。タービンの出口付近内部、インタークーラーの入り口付近内部にオイルがにじんでいる様であれば、ブーストアップもしない方が無難である。最悪、エンジンブローして高く付く結果になりかねない。
もしそれでも、チューンを進めるならタービン交換するしか道はない。(Step4 タービン交換 参照)
○ブースト計の装着
タービン正常が前提のブーストアップだが、もう一つの絶対条件が「ブースト計」の装着である。
純正のブースト計では、いったいどのくらいの圧がかかっているのか全く確認できないどころか、走行中にあの位置に視線を送ることは大変危険である。オーバーシュート・タービンブロー・パイプ抜け等にいち早く気が付くためにも、できるだけ見やすい位置に装着したい。
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MyZRのインパネ
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○ブーストコントローラー
ブーストコントローラーは各社から販売されているものが問題なく装着できる。これも好みで選ぶのが一番だが、安価なものはそれなりの機能しかない。
トラスト・プロフェックは、一時的にブーストを上げる「オーバーテイクブースト機能」やオーバーシュートを知らせる「ワーニングブースト」を設定できるので、お勧め。
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○コンピューターについて
ブーストアップでコンピューターの書き換えが必要なのか・・・答えは
[YES] であり [NO]
である。
では、どの様な場合に必要で、どの様な場合に不必要なのか・・・それは、ドライバー本人次第なのである。例えば、ブーストコントローラーを装着し、ブーストアップしたとしても、ノーマルブースト+0.2k程度(正確ではないが)であればコンピューターのリセッティングは必要ないだろう。というのも、ノーマルコンピューターであれチューンドコンピューターであれ、エアフロからの信号を受けて吸気量を判断、それに応じて燃料の増減をしているのである。とういことは、多少の吸気量増なら対応出来るはずである。しかし、そこで大事なのは「我慢」できるかである。ブーストコントローラーを装着したならば、燃料系を含めてRB20ノーマルエンジンの限界と言われている1.0kgあたりまではブーストアップしたくなるのが人間である。こうなってくれば当然吸気量は大幅に増量されてしまうので、ノーマルコンピューター+エアフロの燃料増量マージンを越えてしまう。結果として燃料薄によってノッキングを起こしてしまいかねない。そうなればコンピューターのリセッティングが必要となる。
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○インタークーラー
ブーストアップを行ったら、インタークーラーも是非交換しておきたい。選択肢は3つ。
(1)ARC社からリリースされている純正交換タイプは少しでもレスポンスを落としたくない人にお勧め。ただし、エンジンの熱をまともに受ける位置なので冷却効率は前置きには決してかなわない。
(2)HKS社からリリースされている前置きインタークーラーキットは、本体・パイピング・ステー・ブローオフバルブがセットになっている。フェンダーへの穴開け加工等が少々困難だが、基本的には完全ボルトオンなので気軽に前置きにするにはもってこい。ただし、パイピングの複雑化によってレスポンスは悪化する。
(3)GT-R用等のインタークーラーを流用する場合は、当然パイピングはワンオフとなる。更に取り付けにも加工が必要になるため、10万円以上の予算は覚悟したい。ハードチューンまで視野に入れている人にはお勧め。
インタークーラーによって、フィーリングは大きく変化するので選択は慎重に行いたい。また、前置きにすればラジエターへの冷却風が減るためオーバーヒート気味になることにも注意をしたい。そうなった場合は、整風板の導入やローテンプサーモスタッドで対処する方法もある。
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純正位置ギリギリに収まっている
ARC純正交換タイプ
HKS前置きインタークーラーキット
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※ARC純正交換・HKSキット共に2007年現在メーカー廃盤。
Step 4
[タービン交換]
タービン交換をStep
4とするのが妥当であるかどうかは、微妙なところである。とういうのも、ブーストアップ項にも書いたとおりタービンが正常でなければブーストアップもできないからである。したがって、ここでは400ps以上を狙うようなビッグタービンではなく、純正タービンを含めた比較的ライトなタービンチューンを紹介したい。
○純正タービン
タービン交換を考える上で、決して忘れてはならないのがノーマルタービンの選択である。当時は新時代のハイレスポンスタービンとしてデビューした「セラミックタービン」である。そのポテンシャルは捨てたものではない。更に他のチューンドタービンに比べ約半分の値段で入手できる点も見逃せない。単純に寿命が半分だとしてもコストパフォーマンス的には同じである。ゼロヨンや最高速等ハードな走りをしないのであれば、ノーマルタービンの選択も「あり」ではないだろうか。ただし、セラミック製のタービンブレードは熱に弱いので、ボアアップ等を行い排気量が増加され、高ブースト状態が長く続くような場合は、寿命も更に短くなる。
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以前はブリッツ・セントラル等から
キットが出ていたK26タービン
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○他のRB系タービン流用
RB系エンジン(シングルターボ)であれば、タービンの流用は可能である。流用するとなれば当然中古を選ぶことになるが、ここで注意したいのは「タービンの状態」である。わざわざお金を出して買ったものがあっと言う間にブローしてしまっては流用する意味がない。また、RB25用等の大きめのタービンがRB20にマッチするとも限らない。程度の良いタービンが偶然安く手には入った場合は流用する、といったくらいの感じでいいのではないかと思う。
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○ボルトオンタービン
R32スカイラインやC32ローレル等の存在のおかげでRB20用のボルトオンタービンは様々なサイズがリリースされている。代表的なのはHKSのGTタービンシリーズで、主に3種類から選ぶ事が可能である。ドッカンターボ気味になってもパワーを重視するなら大きめの物を、レスポンスを重視するなら小さめものを選ぶと良いのでは。
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○タービンキット
デビュー当時こそ様々なメーカーからタービンキットがラインナップされていたが、現在はHKS社からリリースされているT3Gタービンを中心としたキットしか存在しない。高性能なボルトオンタービンや純正タービンが存在する以上、わざわざこのキットをチョイスする理由は・・・である。
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Step 5
[燃料系]
チューニングによるパワーアップをしたら燃料系の強化も必要となってくる。Z31に搭載されるRB20の純正インジェクターは噴射量が260cc/minなので、タービン交換まで進み、250psをオーバーする仕様になったら必須となる。
○FJ20用インジェクターの流用
350馬力までならFJ20の純正に使用されていた380ccインジェクターの流用が可能。開弁率90%でも342cc吐出するので、容量的には十分である。またフュエールデリバリー加工や、ドロッピングレジスター加工が不要でポン付けできるのもお手軽と言える。
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ボルトオンで装着されている
FJ純正インジェクター
(owner:ぴょん太)
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○大容量インジェクターへの交換
350馬力以上を求めるのならば、GT-Rの440ccや、HKSなどから販売されている大容量インジェクターを使うしかないのだが、この時に気を付けておきたいのが、抵抗値の違いである。RB20のインジェクターは、いわゆる「高抵抗」タイプで、RB26用は「低抵抗」と、作動電圧が異なる為だ。社外品の多くは「低抵抗」であるため、これらを流用する際には先に述べたレジスター加工が必要となってくる。よって、ノウハウをもったショップと相談した方が、無難である。また、Z31に使用されている初期型RB20のヘッドには、RB26純正のインジェクターや後期RB20用のインジェクターはボルトオンで装着できないので注意。
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○燃料ポンプ
燃料ポンプについては、代表的なものでR33の燃料ポンプがあげられるが、最近ではニスモから純正よりも高性能・低価格といった優れものが販売されているので、こちらも見逃せない。価格はR33純正が¥29000。ニスモが¥27000となっている。どちらにせよ、高ブースト、ハイパワーには燃料ポンプの強化も必須項目となる。
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※この項の作成にあたって、実際にRB23・FJインジェクター仕様にされているぴょん太さんに情報をいただきました。
Step 6
[ハードチューン]
タービン交換までのチューニングをきっちりやれば、最新スポーツカーとさほど遜色無い速さに仕上がることだろう。(ノーマルであることが前提だが・・・)
ここから先で問題になってくるのは「初期型RB20エンジンの、インマニを含めた補記類の形状の悪さ」である。初期型RB20はインテークポートのツイン形状がネックになり、パワーアップに限界がある(タービン交換・ブースト1.2Kgで260ps程度。R32なら同様仕様で300psオーバー)
300psオーバーを狙うなら、残りはボアアップを含めたエンジンスワップしか道はない。
○R32系RB20エンジンにスワップ
Z31に搭載されているRB20エンジンはRB系エンジンの中でも初期型のタイプである。これをR32等に搭載されているRB20エンジンにスワップする事は比較的簡単である。しかし、単純にエンジン本体のみをスワップしただけでは殆ど効果はない。というのも、先に述べたとおりR32系RB20とZ31等の初期型RB20との決定的な違いは、サージタンク(インテークマニホールド)等の補機類が中心だからである。
エンジンをまるごとスワップする場合はインマニや補記類ごとスワップしてしまえば問題ないが、その場合オイルストレーナーの位置が違ってくるので、オイルパンをワンオフするか、ストレーナーの延長加工が必要になる。(この加工をしないでスワップした場合、オイルが正常に循環せず、エンジンブローを招くので要注意!)
エンジンをスワップせずにパワーアップする方法としては、インマニをR32系の物と交換する方法があるのだが、Z31の初期型RB20とR32の後期型RB20では、ヘッドのインテーク形状が違う為、無加工では装着できない。手っ取り早いのはヘッドごとR32のRB20の物と交換してしまう方法である。この場合は、先に述べたオイルパンの加工をする必要も無く、ほぼ後期型RB20と同等のポテンシャルを手にする事ができる。(同時にヘッドガスケット・カム・ウオーターポンプ・タイベル・アイドラプーリー・テンショナー等を交換すれば工賃が節約できる)
ECUをスワップする場合は駆動電圧に注意したい。Z31やR31前期型は7v駆動が採用されているが、R31後期型以降は5vに変更されている。当然、エアフロやその他のセンサーに互換性のないものが殆どなので、すべて後期型の物を使用するつもりでいたい。また、当然コネクタ形状も違ってくる為、ハーネスの引き直しもしくは[
ネココーポレーション ]から発売されている[
ハーネス変換コネクター
]を使用するしかない。
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概観はノーマルのRB23DET
(owner:ぴょん太)
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○2.3L/2.4Lにボアアップ
ここ数年ブームとも言えるのが、オーバーサイズピストンを使用した2.3L化、更にそれにRB26用クランクシャフト&コンロッドをくわえた2.4L化である。
チューニングショップ[
テスタロッサ
]ではこのボアアップを日帰りで行っている。価格も工賃込みで35万円前後〜となっておりオーバーホールを兼ねたボアアップと思えば十分お得。排気量アップによる低回転のトルクアップはかなり魅力的である。更に同時にタービンや消耗品の交換等を依頼すれば、面倒な作業を自分で行うことなく安心して乗れるZ31に仕上げる事ができる。これからZ31を購入しようと思っている人は、ここまでを予算に追加して検討するのも良いのではないだろうか。
ただし、先に述べた「インマニ形状」の問題で、初期型RB20をボアアップした場合はトルクアップは期待できても、パワーアップは期待薄である。
腰下はZ31用をボアアップし、ヘッド&補記類はR32用を流用するのが理想的。
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○RB25にスワップ
RB26エンジンの存在でいまいち陰の薄いRB25だが、Z31でハイパワーを狙うには最も適したエンジンではないだろうか。なぜかと言うと、RB26の場合はサージタンクの形状が全く違うため、インテークのパイピングに大幅な変更が必要になるからである。ターボもツインにするならエキゾースト側も大幅な変更が必要である。
その点RB25ならサージタンクの外見的な形状は殆ど同じなので、パイピングはそのまま使用可能。更にエキゾースト側もそのまま使用可能である。
ただし、Z31のコンピューターをそのまま使用する場合は、タコメーターが動作しない等の症状がでる。(駆動電圧が違う為)これは、当然ハーネスごとコンピューターを交換してしまえば解決できるが、Z31のコンピューターのままでもRB25を正常にコントロールする事は可能である。(センサーはZ31用を使用し、コネクタの加工をすれば可能。)要は作業をする人の知識と経験が物を言うところか。
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200ZRのエンジンルームにすっきり収まっている
RB25DETエンジン。(owner:masa)
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○RB26にスワップ
RBエンジン搭載車のオーナーなら誰もが一度は憧れるRB26DETT。だが、Z31に搭載する場合は簡単にはいかない。RB25スワップの項にも書いたが、インテーク系・エキゾースト系共に大幅な変更が必要になってくる。また、膨大になったパワーを受けとめるボディが必要になってくる。それでも新車でGT-Rを買うくらいの予算と勢いがあれば、最強のZ31を作ることも可能である。が・・・
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